日本版スチュワードシップ・コードの
受け入れについて

2025年10月
マニュライフ・インベストメント・マネジメント株式会社

当社は、責任ある資産運用者としてスチュワードシップ責任を果たす指針として、「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫を受け入れております。同コードが改定されたことを受け、改めてその受け入れを表明いたします1

「責任ある機関投資家」の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫ 

1. 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社は、投資一任契約資産及び投資信託の運用を通して、顧客及び受益者の中長期的な投資リターンの拡大への寄与という観点から、方針ステートメントと枠組みに沿ってスチュワードシップ活動を実行いたします。スチュワードシップ活動の指針とする方針には、以下が含まれます。

  • マニュライフIMサステナブル投資/リスク・ステートメント
  • マニュライフIMエンゲージメント方針
  • マニュライフIM議決権行使に関するグローバル方針
  • マニュライフIM議決権行使に関するグローバル・ガイドライン

当社は、当該要因が投資のリスク・リターン特性に財務的に重要な影響を及ぼす可能性があると判断される事項については、発行体へのエンゲージメントの優先順位付けの際に複数の要因を考慮することがあります。特に、特定のポートフォリオにおける投資先の重要性、当社の影響度、エンゲージメントの成功によって期待される長期的な価値創造への貢献などの要因について考慮します。マニュライフIMは、運用機能の一部または大部分を外部の運用会社に委託する際には、運用委託先のESGインテグレーション、議決権行使、エンゲージメント活動などを含むサステナブル投資手法について定期的にレビューを行います2

2. 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社がスチュワードシップ責任を果たす上で、想定される利益相反は以下のケースがあります。 

  • 当社の顧客あるいはその関連企業への議決権行使 
  • 当社の関連企業または関係者が利害を有する企業への議決権行使

当社は、顧客・受益者の利益を最優先として、議決権行使ガイドラインに基づいて議決権行使を行います。利益相反を認識した場合は、その事案を『利益相反懸念先リスト』に登録し、当社リスク管理委員会に報告いたします。また、当該企業に対する議決権行使は、議決権行使助言会社の推奨通りに行います3。 

3. 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

当社運用チームはデューデリジェンス・プロセスの一環として、投資対象に関する重要なサステナビリティのリスク、要因、機会を評価し、かかる評価を投資分析全体に組み込んでいます。これら分析が、場合によっては投資のバリュエーション、ポートフォリオ構成の判断、取引の引き受けに影響を及ぼすことがあります。

運用チームは投資を実行した後、サステナビリティのリスク、要因、機会など、資産または企業に影響を及ぼす可能性のあるすべての重要事項を継続的にモニタリングします。関連するリスクまたは懸念事案は、同チームによる継続的な投資プロセスの一環として、投資先企業の継続的なモニタリング及び該当する場合はエンゲージメント、ポートフォリオのポジション構築やリスク・モニタリングを通じて対処するほか、サステナビリティ・チームも定期的にポートフォリオを個別に見直し、重大性の評価を向上させる手段として、想定されるサステナビリティ・リスクについて運用チームと合同でエンゲージメントを行います。特定された重大なリスク特性に応じて、企業の詳細な調査やエンゲージメントなど、チームの包括的な投資プロセスにおける次の対応方針を決定します。

4. 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。 

エンゲージメントは、投資先発行体との率直な対話を維持し、顧客の長期的な投資価値の向上にとって重要と考える問題について意見交換を行う機会を提供します。エンゲージメントは、発行体の戦略やバリュエーションを支える事項について理解を深め、当該企業にリスクの管理や報告を含むベスト・プラクティスを採用するよう影響力を行使する機会となります。長期的な安定成長を促進し、企業が将来直面する重大なリスクを軽減する事業慣行の採用に影響力を与えるという点で、投資家は重要な役割を果たすと当社は考えます。

当社は多様な資産クラスを対象とする運用会社であり、株式投資家及び債券投資家としてエンゲージメント活動を行います。通常は、状況に応じて適切な代表者との対話を求め、対話はネット上や対面で行うこともあれば、文書で行うこともあります。当社のエンゲージメント活動には主に以下のような活動が含まれます。 

  • 発行体とのエンゲージメント:運用チームは、ファンダメンタルズ・リサーチ・プロセスの一環として、発行体の代表者と頻繁に意見交換を行っています。アナリスト及びポートフォリオ・マネージャーは、対話を通じて、投資先発行体の経営の質、事業の原動力及び戦略について知見を得ることができます。加えて、運用チームはこれらのエンゲージメントにより、発行体のサステナビリティ要因へのリスク・エクスポージャーを把握し、企業価値を保つために当該エクスポージャーをどのように管理しているかを評価することができます。サステナブル投資専門アナリストは、こうした対話に定期的に参加し、リスクと機会について話し合います。これらの対話は、運用プロセスの中で活用されています。これと並行して、サステナブル投資専門アナリストも、サステナビリティのリスクと機会について話し合うために発行体にエンゲージメントを行うことがあり、こうした対話には運用担当者も参加を求められます。
  • 協働エンゲージメント:当社は、顧客の最善の利益になると思われる方法、発行体の状況、エンゲージメントの目的を踏まえ、他の投資家と協働してエンゲージメント活動(以下「協働エンゲージメント」)を行うことがあります。当社は、協働を通じたアプローチは建設的であると捉えており、重要なサステナビリティ課題への対応が発行体の戦略をいかに支えるかについて、深い理解を得られると考えています。顧客にとって望ましい成果をより効果的に達成できると考える場合、法規制により禁止されていない限り、他の投資家と協働でエンゲージメント活動を行います。当社はこうした活動においても、エンゲージメントの優先課題の選定、議決権行使、投資判断を常に独自の判断で行っています。

当社は、議決権行使を課題への対処に不可欠な手段と考えており、投資先企業からの保有比率の開示請求には、可能な限り応じるよう努めています。投資先企業に保有状況を説明し、開示することはエンゲージメントに役立つと考えています。当社は、法律、規制、商取引上の機密またはその他の制限の範囲内で、投資先保有状況の開示要請に応じるよう努めます4

5. 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。

当社は、議決権の行使方法や、議決権行使助言会社の利用方法などについて定めたマニュライフIMの議決権行使に関する方針及びガイドラインを遵守しています。当社は、社内の議決権行使に関する方針を指針として議決権行使の決定を行いますが、顧客の最善の利益にかなうと判断される場合、運用チームはかかるガイドラインの提言から逸脱することもあります。

当社は、議決権行使の記録を当社ホームページ上で公表しています。 

6. 機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。 

当社のスチュワードシップ活動の概要は、マニュライフIMの年次サステナビリティ・レポートに記載されています。当該レポートでは、エンゲージメント、協働、議決権行使、利益相反の管理など、スチュワードシップ・コードの原則に示されているスチュワードシップに関するさまざまな側面についてについて説明しています。詳細については、当該レポートをご覧ください。

当社は、議決権行使の記録を当社ホームページ上で公表しています。

当社は、当該レポートの公開に加え、顧客、見込み顧客からの問い合わせへの対応に努めています。

7. 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。 

当社は、マニュライフIMが提供する包括的なリソースの支援を受けています。マニュライフIMは、顧客目標の達成に向けて、運用プロフェッショナルがサステナビリティやスチュワードシップの観点を投資プロセスに組み込むことができるよう、広範な支援体制を整えています。この体制には、サステナビリティ・プロフェッショナルで構成された、統括的な役割を担う専門チームの設置に加え、意思決定を強化するためのツール、研修、データの提供が含まれています。また、サステナビリティ及びスチュワードシップの目標の達成に向けた取り組みを奨励するインセンティブ制度も導入しています。マニュライフIMは、各運用チームによるESGインテグレーションとスチュワードシップ活動の促進・強化を可能にするサステナビリティ・プロフェッショナル・グループがあり、これらの取り組みを支えています。

(脚注)
マニュライフ・インベストメント・マネジメント(以下「マニュライフIM」)は、マニュライフ・ファイナンシャル・コーポレーション(以下「マニュライフ」)傘下のグローバル資産運用グループです。当社はマニュライフIMに属する事業体です。日本版スチュワードシップ・コードの受け入れ機関は当社ですが、マニュライフIMとしても、日本版スチュワードシップ・コードおよび世界のその他地域のスチュワードシップ・コードの期待に沿う行動に努めています。マニュライフIMは、年次発行のサステナビリティ・レポートを通じて、これらのコードへの遵守を公表しています。

2 マニュライフIMによる外部の運用会社の監督については、マニュライフIMのサステナビリティ・レポートに詳細な説明があります。

これは、当社が準拠する個別的なプロセスです。利益相反の管理方法は、マニュライフIMの関連会社ごとに異なる場合があります。マニュライフIMによる利益相反への全体的な対応方法の詳細については、マニュライフIMのサステナビリティ・レポートをご覧ください。

投資先企業からの要請があった場合に、保有比率の開示に努めるという方針は、当社に適用されるものです。マニュライフIMは、他の市場の法律、規制、商取引上の制限と留意事項のため、保有に関する情報を世界的に開示することを確約することはできません。

以上