2026年の米国債券の展望:不確実性の中に機会を見出す

ジェフリー・ギブン、CFA
米国債券コア/コアプラスチーム共同ヘッド
シニア・ポートフォリオ・マネージャー

ハワード・C・グリーン、CFA
米国債券コア/コアプラスチーム共同ヘッド
シニア・ポートフォリオ・マネージャー

債券投資家にとって、2025年は先行きの見通しがつかない1年でした。2026年にあたってのマニュライフ・インベストメント・マネジメントの展望は依然変わりなく、米国コアおよびコア・プラス債券戦略が分散されたポートフォリオの中で、さまざまな理由を背景に重要な役割を果たすとの見方を有しています。

2025年は市場の変動や材料の入れ替わりが相次ぎましたが、米国経済が驚くほどの底堅さを見せたことが特に目立ちました。年間を通じて不透明感や不安定な金利環境が続いたにもかかわらず、安定的な経済成長や企業の堅固なファンダメンタルズを背景に、米国経済は堅調に推移しました。投資家にとって、米国企業の決算が好調な状況で2026年を迎えていることは安心材料です。

とは言え、この底堅さの影で、労働市場は軟化しつつあります。雇用は鈍化し、求人状況に1年前ほどの力強さはありません。これは債券投資家にとって、どのような意味を持つのでしょうか。米連邦準備制度理事会(FRB)は、雇用の最大化と物価の安定という二重の使命の一環として、雇用トレンドを注視しながら金利政策を決定しています。雇用市場の軟化が続く場合、FRBは2026年に更なる利下げを行う余地を得ることになります。

足元の市場は2026年内に数回の利下げを織り込んでいるものの、利下げの正確な回数や時期は雇用とインフレの動向に左右されます。歴史が示すように、中央銀行の決定を予測することは極めて困難です。だからこそ私たちは、2026年には、イールドカーブの形状の変化を利用することに重点を置いた戦略が、投資機会を捉える有効な方法になり得ると考えています。

イールドカーブは過去1年間でどう変化したか

2025年の最も注目すべき出来事の1つは、短期金利と長期金利の乖離が拡大し、イールドカーブが引き続きスティープ化したことです。イールドカーブのスティープ化は特に中期債などで魅力的な投資機会をもたらす可能性があるため、これは債券投資家にとって重要な展開です。

2023年半ば以降、イールドカーブはスティープ化してきた
米国10年国債と2年国債の利回りの差

出所:セントルイス連銀、2025年12月5日現在。マイナスの値は逆イールドを意味し、プラスの値は大きいほどスティープ化の程度が大きいことを意味します。

過去を振り返ると、イールドカーブがスティープ化している局面では、中期債がリスクとリターンのバランスの取れた最適な投資機会を提供してきました。FRBの次の動きを正確に予測することは不可能ですが、マニュライフ・インベストメント・マネジメントの基本シナリオでは、このスティープ化は継続し、中期債(5~7年)に焦点を当てる投資家に投資機会をもたらすと見ています。

イールドカーブがスティープ化する局面では通常、
中期債がアウトパフォーム

出所:ブルームバーグ、2025年11月30日現在。1年以上のリターンは年率換算しています。中期はブルームバーグ米国債5-7年インデックスのパフォーマンス。短期・長期は、ブルームバーグ米国債1-3年インデックスとブルームバーグ米国債25年+インデックスを組み合わせて加重したパフォーマンスであり、デュレーションがブルームバーグ米国債5-7年インデックスと一致するようにしています。インデックスの定義は本稿末尾をご参照ください。過去のパフォーマンスは将来の成果を保証するものではありません。指数に直接投資することはできません。

2026年の社債の展望

社債のファンダメンタルズは依然として堅調であり、安定した決算と堅固な財務状況が多くの企業の底堅さを示しています。とは言え、金利が低下し、経済の全体的な見通しが悪化した場合、クレジット・スプレッド(社債と国債の利回りの差)が拡大し始める可能性があります。投資家は、景気が減速する中でより多くのリスクを取る見返りとして、より多くの上乗せ利回りを要求するため、企業自身の財務状態が健全でもクレジット・スプレッドが拡大するケースは少なくありません。

リセッション(景気後退)期にはクレジット・スプレッドが拡大する傾向

出所:ブルームバーグ、全米経済研究所、2025年11月28日現在。OASはオプション調整後スプレッドを意味します。インデックスの定義は本稿末尾をご参照ください。指数に直接投資することはできません。

景気が減速してスプレッドが拡大する場合、利回りだけに注目するのではなく、社債相場に価値をもたらす真の要因を掘り下げることが重要です。パフォーマンスはセクターや企業によって異なってくるため、セクターの切り替えや銘柄選択を慎重に行うことで意味のある成果を上げることができます。このような時期には、堅調なファンダメンタルズが続いているにもかかわらず市場で正当な評価を受けていない発行体を見極めるアクティブ運用によってリターンを高めることが可能です。

モーゲージ担保証券(MBS)への投資が債券投資家のメリットとなる理由

債券市場の中でも、政府機関モーゲージ担保証券(MBS)は好調が続いてきました。この債券は住宅ローンのプールを裏付け資産とし、ファニーメイやフレディマックといった政府系事業体(GSE)によって支えられています。このセクターは過去1年間堅調に推移し、11月末までのブルームバーグ米国MBSインデックスのリターンは8.4%と、ブルームバーグ米国総合債券インデックスの7.5%を上回りました1。金利のボラティリティが低下したことや、社債に引けを取らない利回りが追い風となっています。

政府機関MBSの利点には、流動性が高いことや信用リスクが相対的に低いことが挙げられます。この2つの特徴により、政府機関MBSは、債券ポートフォリオの安定化を求める投資家にとって魅力的な選択肢となっています。ほとんどの債券セクターが歴史的な低スプレッドで取引されている今、戸建て住宅を対象とする政府機関MBSは、高い流動性と魅力的な利回りの両面で際立っていると判断しています。

ここでも銘柄選択が重要な役割を果たします。多くの住宅所有者の住宅資産の額は大きなものになっており、金利が低下すれば借り換えの動きが活発化する可能性があります。その場合、「期限前返済リスク」(住宅ローンの返済が前倒しで行われ、債券からの予想キャッシュフローが変化する可能性)が高まります。政府機関MBS市場で最良の投資機会を捉えるためには、このリスクを慎重に管理することが非常に重要です。

市場では引き続きGSE改革が重要なテーマとなっていますが、GSEが実際に民営化されたとしても、政府による暗黙の保証は継続し、このセクターの後ろ盾であり続けると予想されます。足元の政策環境では、GSEが政府機関MBSの主要な買い手となる可能性も注目されています。GSEによる政府機関MBSの買い入れは、ボラティリティの上昇局面でスプレッドを安定させ、住宅ローン金利を維持する働きをすると想定されます。しかし、そのような行動は目的が絞られ、市場に急激な混乱が生じた時の安定化に重点を置いた条件的なものになると思われます。この可能性が再び浮上したとは言え、市場がまだGSEによる大規模な買い入れを織り込んでいないことは注目に値します。

今後1年間の見通し

今後については、質の高い債券に対して積極的な見通しを維持します。困難な市場環境ではあっても、足元の利回りは今も過去の平均を上回っていることから、1桁台半ばのリターンを上げられる可能性があり、長期投資家にとってリスク調整後で魅力的な投資機会が提供されています。

質を重視し、規律を維持し、変化する環境に適応することにより、債券は分散されたポートフォリオの中で引き続き重要な役割を果たす力を持っています。つまり、市場の大きな動きは今後も続くものの、債券投資に楽観的な見方を取る理由は豊富にあります。

  1. ブルームバーグ、2025年11月30日現在

リスクと手数料については、以下をご覧ください。
https://www.manulifeim.com/institutional/jp/ja/jp-risks-and-fees-guide

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